パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
「では最後に生徒会の方からお話があります」

「…っ」

ガラッとドアが開いて柏木先輩が入って来た。
生徒会長としての挨拶があるみたいで、ニコニコしながらそれは誰もが知る柏木先輩だった。

「体育祭まであとわずかですが、しっかり準備をして怪我のないよう今年の体育祭成功させましょう」

…本当に体育祭に向けての話だった、ってあたりまえだよね。これが学校で見る柏木先輩だもんね。

私だってちょっと前まではそうだと思ってたんだもん。
でも今見ると…、なんだか緊張しちゃうんだ。
 
表と裏の柏木先輩、今見せてるのは表の柏木先輩で裏の柏木先輩は学校(ここ)で見ることは…ないのかなぁ。

ちっとも見たいとは思ってないけど!
見たくなんかないけど!

彗くんだって…、ずっと彗くんでいてくれたらいいんだけどなぁ。せめて私の前だけでも彗くんでいてくれないのかなぁ…  

「だりぃな、体育祭実行委員とか」

と思ったのも束の間、会議が終わってもらったプリントをリュックにしまおうと思ったら隣からはぁ~~~っと長めのタメ息が聞こえて来た。

その言い方、声のトーン、彗くんじゃない。

あいつだ!間違いなくあいつだ!!
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