パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
「しーえちゃんっ、かーえろっ!」
がばっと後ろから抱き着いて来た。
…あれこれは前にもあったような?
声は彗くんだった。
でもすぐに顔を見て確信する、その目つき!
彗くんじゃない!!
抱きしめる腕にグッと力が入る。
「帰ろうよ、紫衣ちゃん」
「…っ」
耳元で響く低音にビクッとした。
何、こいつ…!
ここで何して…っ
目の前に柏木先輩がいるのに!
「早く」
ふぅっと息がかかって、耳の奥がゾクゾクする。
ほんとになに…っ
「じゃあよろしくね、小村さん」
にこりと柏木先輩が笑った。
そのままスタスタと教室から出て行った、この状況の私とこいつを置いて。
「行くぞ紫衣」
「!」
スルッと滑らすように体をなぞって私の手を取った。勝手に繋がれたみたいに引っ張られ、教室を出て歩き出した。
「え、何!?」
「……。」
「ちょっと!無視!?」
「……。」
「ねぇ!!」
歩幅が大きいせいで、ちょこちょこって必死な小走りみたいになった。
彗くんはいつも私に合わせてくれるのに、自分勝手に歩かないでよ!
「ねぇ…っ!」
彗くん!って呼びたいけど彗くんじゃない。
でもあいつとかこいつとかしか言ったことがないから何て呼んだらいいかわかんなくて…
えーっめっちゃ困るんだけど!
なんて言うの?
なんて言えばいいの?
てゆーか誰なんだっけこいつ!?
がばっと後ろから抱き着いて来た。
…あれこれは前にもあったような?
声は彗くんだった。
でもすぐに顔を見て確信する、その目つき!
彗くんじゃない!!
抱きしめる腕にグッと力が入る。
「帰ろうよ、紫衣ちゃん」
「…っ」
耳元で響く低音にビクッとした。
何、こいつ…!
ここで何して…っ
目の前に柏木先輩がいるのに!
「早く」
ふぅっと息がかかって、耳の奥がゾクゾクする。
ほんとになに…っ
「じゃあよろしくね、小村さん」
にこりと柏木先輩が笑った。
そのままスタスタと教室から出て行った、この状況の私とこいつを置いて。
「行くぞ紫衣」
「!」
スルッと滑らすように体をなぞって私の手を取った。勝手に繋がれたみたいに引っ張られ、教室を出て歩き出した。
「え、何!?」
「……。」
「ちょっと!無視!?」
「……。」
「ねぇ!!」
歩幅が大きいせいで、ちょこちょこって必死な小走りみたいになった。
彗くんはいつも私に合わせてくれるのに、自分勝手に歩かないでよ!
「ねぇ…っ!」
彗くん!って呼びたいけど彗くんじゃない。
でもあいつとかこいつとかしか言ったことがないから何て呼んだらいいかわかんなくて…
えーっめっちゃ困るんだけど!
なんて言うの?
なんて言えばいいの?
てゆーか誰なんだっけこいつ!?