パブリックダーリン~私と彼と彼氏~

darling3.)

体育祭1番最初の種目は100メートル走、ゴールテープの前で1位のタスキを持ってスタンバイする。
ワァっと歓声が沸く、縦割りはもちろんそうなんだけど自分のクラスの子に勝ってもらいたいから応援する声に力が入るよね。

100メートルはすぐ終わっちゃうから、誰が1位かちゃんと見とかなきゃ…

「あーーー!美月1位おめでと~~~~!」

1レース目、美月が1番にゴールを決めた。タスキより先に抱き着いちゃった。

「ありがとう、紫衣いると思ったらいつもよりやる気出たわ」

ぎゅーっと抱き着いたあとタスキをかけた。

タスキの色で順位がわかるようになっていて、1位は赤色で記録係の記録が終わったらタスキを返してもらう。そしたら次のレースが始まるんだ。

「これから柏木じゃん」

女子が終われば次は男子の100メートル走、彗くんが出場するレース…

って彗くんなのかな?

ケイなのかな?

どっちが走るんだ??

てゆーか彗くんはともかく、ケイの運動神経はどうなんだろう…

「私自分の席戻るわ!紫衣、仕事がんばって!」

「うん、ありがとう!」

競技に出ない時はグラウンドのトラックを囲うように教室から持って来た自分のイスに座って応援するのが基本、私も持って来たけど座ることはあんまりなさそうなんだよね。なんてたってタスキ係忙しいから!
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