パブリックダーリン~私と彼と彼氏~

darling5.)

「紫衣ちゃん、トンガリコーンってここでいいんだっけ?」

「カラーコーンだよ、そこでいいと思う!」

私のリレーはそんなに結果に響くことなく、私たちの赤組が優勝した。

最後のは本当に大失態だったけど、終わりよければ全てよしってことで!

うん、そーゆうことで!


彗くんにはどれだけ伝わってるのかわからないけど…

彗くんにケイはなんて言ったの?


「ん、なぁに?紫衣ちゃん」

「ううんっ、なんでもないよ!彗くん片付け終わった?」

「うん、カンペキ!」

体育祭実行委員の最後の仕事、体育祭の片付け中…だったけどもう終わるかな。運んで来たものは元に戻したし、テントとか大きいものは明日みんなで片付けだもんね。

彗くんと体育倉庫で最後の見直しチェックをしていた。

「もう体育祭も終わりかぁ~」

彗くんがふぅっと息を吐きながら呟いた。

今日1日ほとんどケイだった気がするけど、彗くんの中にはどれくらい記憶が残ってるのかなぁ。

「オレ紫衣ちゃんと一緒に実行委員できてよかった!」

急に彗くんがこっちを見たからドキッてしちゃった。

だって体育倉庫に2人、なんだかドキドキ心拍数が上がっていくんだもん。

「初めてしゃべったのは実行委員になった時だったよね!」

高校生になってすぐの頃、まだあまり友達がいない時の係決めはちょっと空気がおぼつかない。

みんな周りを見ながら様子を伺ってどの係にしようかなって考える中、黒板に書かれた“体育祭実行委員”のところに名前を書いた。


その隣で同じように名前を書いたのが彗くんだった。


次の瞬間目が合って、私を見るなり笑ったの。


“よろしくね!”って。
< 73 / 181 >

この作品をシェア

pagetop