パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
ケイが見る方をそろっと振り返った。
「柏木先輩…っ!」
「ごめんね、邪魔…しちゃったかな?」
「い、いえ!そんな…っ」
いつからいたんだろう、全然気付かなかった…!
体育倉庫の開いたドアの前に、こっちを見るようにして立っていた。
てゆーかドア開いてた!
ドア開いてたのに何しようとしてたの恥ずかしい!!
「小村さんに頼んだけど、タスキ…まだだったから取りに来たんだ」
「タスキ…?」
“体育祭終わったら順位タスキ集めて野田先生に渡してもらえないかな?”
…あっ!!そーいえば頼まれてた!
それどころか彗くんと…ッ
ごにょごにょごにょに夢中で忘れてた!
「す、すみません!すぐ持って行きます!もう集めてそこ置いてあるんですけど…っ」
「あ、これかな?」
一歩一歩静かに柏木先輩が体育倉庫の中へ入って来た。
急に空気が冷たくなる感じがした。
6月の夏が始まろうとしてるこの時期に、なぜかぶるって震えたくなっちゃうような。
あ…、思い出すからだ。
あの日の、彗くん家に行った日のことを。
初めて見る裏の柏木先輩の姿をー…
「そんなに見張ってなくても何もしないけど?」
私じゃなくてケイの方を見ていた。
「余計な事したら、わからないけどね?」
にこっと笑って、だけど笑ってるのに笑っていないそんな顔で。背中がゾクッとする。
「じゃあこれもらってくね、ありがとう小村さん」
「いえ、すみません!…お願いします」
ぺこりと頭を下げた。
一気にしーんとしちゃった体育倉庫、柏木先輩の存在で全てが変わっちゃうみたい。
それでも柏木先輩は見せないんだ、学校では。
柏木先輩は裏の姿を絶対見せない。
徹底してるみたいに。
それが余計に怖くてあの日のことが色濃く残る。
「じゃ、俺帰るわ」
「え、一緒に帰らないの!?あ、彗くんと!彗くんとだよ!?」
「……。」
「無視!?」
「柏木先輩…っ!」
「ごめんね、邪魔…しちゃったかな?」
「い、いえ!そんな…っ」
いつからいたんだろう、全然気付かなかった…!
体育倉庫の開いたドアの前に、こっちを見るようにして立っていた。
てゆーかドア開いてた!
ドア開いてたのに何しようとしてたの恥ずかしい!!
「小村さんに頼んだけど、タスキ…まだだったから取りに来たんだ」
「タスキ…?」
“体育祭終わったら順位タスキ集めて野田先生に渡してもらえないかな?”
…あっ!!そーいえば頼まれてた!
それどころか彗くんと…ッ
ごにょごにょごにょに夢中で忘れてた!
「す、すみません!すぐ持って行きます!もう集めてそこ置いてあるんですけど…っ」
「あ、これかな?」
一歩一歩静かに柏木先輩が体育倉庫の中へ入って来た。
急に空気が冷たくなる感じがした。
6月の夏が始まろうとしてるこの時期に、なぜかぶるって震えたくなっちゃうような。
あ…、思い出すからだ。
あの日の、彗くん家に行った日のことを。
初めて見る裏の柏木先輩の姿をー…
「そんなに見張ってなくても何もしないけど?」
私じゃなくてケイの方を見ていた。
「余計な事したら、わからないけどね?」
にこっと笑って、だけど笑ってるのに笑っていないそんな顔で。背中がゾクッとする。
「じゃあこれもらってくね、ありがとう小村さん」
「いえ、すみません!…お願いします」
ぺこりと頭を下げた。
一気にしーんとしちゃった体育倉庫、柏木先輩の存在で全てが変わっちゃうみたい。
それでも柏木先輩は見せないんだ、学校では。
柏木先輩は裏の姿を絶対見せない。
徹底してるみたいに。
それが余計に怖くてあの日のことが色濃く残る。
「じゃ、俺帰るわ」
「え、一緒に帰らないの!?あ、彗くんと!彗くんとだよ!?」
「……。」
「無視!?」