パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
Public3.おはなしして)

darling1.)

すっかり夏になりまして、無事期末テストが終わりました。

「ねー、紫衣数学どうだった?全然時間足りなくなかったことない?」

「そう?私はむしろ時間いっぱい余ったよ!」

無事終わりました… 

たぶん!
わかるとこは全部埋めたもんね、わかるとこはね!

「でもこれでやっと部活出来る!」

「テスト期間中は休みだもんね」

「うん、来週は練習試合あるからやる気なんだよね!」

ここ数日間のテストが終わって今日はもう帰るだけの私とは対照的に美月は部活に燃えていた。こっちはあとはリュックを背負って帰る気満々だよ。

「練習試合ってどこでやるの?」

「うちの学校だよ、来週の土曜日」

「そーなの!?それって見に行ってもいいの!?」

「いいけど、紫衣来てくれるの?」

「うん、行きたい!美月のバスケ見たい!!」

今までそーゆうのはなかったから、どんな感じなのかなってちょっと興味があった。リレーでも私のミスをカバーしてくれようと最後まで全力だった美月がバスケしてるとこは見てみたい。

「うちの体育館でやるやつだから見学は自由だよ、じゃあ応援に来てよ」

「うん、行く!やった!」

「よかったら柏木も一緒に」

ひょこっと隣に現れた彗くんにも美月が声をかけてくれた。

「何?何?何の話~??」

「来週の土曜日バスケ部の練習試合があるんだって、応援に行こうと思うんだけど彗くんも行かない?」

「行く!美月ちゃん出るの?」

「練習試合だから1年も全員出れるんだよ」

それを聞いたらなおのこと行きたくなっちゃって、すぐに彗くんと一緒に行こうねって約束をした。

体育祭が終わって期末テストが終わって、また休みの日に彗くんに会える…



だけどケイにはずっと会ってない。


あれからずっと、ケイは私の前に姿を現していない。
< 78 / 181 >

この作品をシェア

pagetop