パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
学校からの帰り道、ケイがコンビニに寄るって言うからついていった。
めちゃくちゃ刺激のありそうな黒のパッケージのミントガムを買っていた。
パケだけですごいカラそうだんだけど…そんなの食べるの?すごい…
「何だよ、欲しいのか?」
「い、いらないよ!」
「物欲しそうな顔してっから」
「してないし!」
ガムだけ買ってコンビニを出た。
どこへ行くか決めてないけど、なんとなく歩き出したから隣に並んでとりあえず歩いてみる。
「……。」
「…。」
「…ねぇ、それって彗くんには残らないの?あの、味っていうか口の中に!」
「今この瞬間戻ったら残るな」
「可哀そうだから絶対やめてあげてね!!」
隣でケイが噛んでるだけでつーんとするミントの匂いが鼻に来る、きっと彗くんだったら吐き出しちゃうと思うもん。
ガムを噛んでる横顔を見る。さっきまではきゅるんとした丸い瞳だったのに、今は切れ長のつり上がった瞳をしていて、人の顔ってこんなに変わるんだなって今さらながらに思っちゃった。
話し方だって声のトーンだって違って、本当に雰囲気も印象も全部変わっちゃうから、別の人なんだなって本当に今さら…
「気付いたんだろ?」
「えっ」
私の方を見るようにケイがスッと首をひねった。
「さっき…、俺の顔を見る前に彗じゃないってわかったってことは“なんで俺が現れたのか”気付いたってことだろ?」
「………な、なんとなく」
フイッと視線を逸らし、ズボンのポケットに残りのガムを入れたついでに手も入れて気だるそう息を吐いた。
「それが答えだよ、紫衣の思ってる通りで正解だ」
淡々とした声でなんの感情も感じなかった。
めちゃくちゃ刺激のありそうな黒のパッケージのミントガムを買っていた。
パケだけですごいカラそうだんだけど…そんなの食べるの?すごい…
「何だよ、欲しいのか?」
「い、いらないよ!」
「物欲しそうな顔してっから」
「してないし!」
ガムだけ買ってコンビニを出た。
どこへ行くか決めてないけど、なんとなく歩き出したから隣に並んでとりあえず歩いてみる。
「……。」
「…。」
「…ねぇ、それって彗くんには残らないの?あの、味っていうか口の中に!」
「今この瞬間戻ったら残るな」
「可哀そうだから絶対やめてあげてね!!」
隣でケイが噛んでるだけでつーんとするミントの匂いが鼻に来る、きっと彗くんだったら吐き出しちゃうと思うもん。
ガムを噛んでる横顔を見る。さっきまではきゅるんとした丸い瞳だったのに、今は切れ長のつり上がった瞳をしていて、人の顔ってこんなに変わるんだなって今さらながらに思っちゃった。
話し方だって声のトーンだって違って、本当に雰囲気も印象も全部変わっちゃうから、別の人なんだなって本当に今さら…
「気付いたんだろ?」
「えっ」
私の方を見るようにケイがスッと首をひねった。
「さっき…、俺の顔を見る前に彗じゃないってわかったってことは“なんで俺が現れたのか”気付いたってことだろ?」
「………な、なんとなく」
フイッと視線を逸らし、ズボンのポケットに残りのガムを入れたついでに手も入れて気だるそう息を吐いた。
「それが答えだよ、紫衣の思ってる通りで正解だ」
淡々とした声でなんの感情も感じなかった。