パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
“これが星の本性だ”
あぁどうしよう、私の中の柏木先輩がどんどん崩れていくから…
こんな風に微笑みかけられても嫌悪感しかなくて。
ずっと彗くんをいじめて苦しめて来たなんて、私は笑ってなんか返せないよ…!
「小村さん、髪の毛…ゴミ付いてるよ」
すっと柏木先輩の手が伸びて来て、私の髪の毛に触ろうとした。
だけど思わず避けちゃった。
あ、やばい…!
明らかに嫌がってるみたい、“人気者”の柏木先輩の前で…っ
「触んじゃねーよ」
「…!」
避けた私の体を支えるように後ろから腕が包み込んだ。
ガシッと力の入った腕はぎゅーっと私の体をまるっと抱きしめる。
「俺のだ、気軽に触んな」
ケイ…っ!?
この感じきっとデジャブ…!
前にもあった、初めて柏木先輩に会ってケイが現れた時も強く抱きしめられて動けなかったよね。
「ゔ…っ」
だから苦しいんだってば!
力強いの!
加減してってば!!
「髪の毛にゴミが付いてたから取ってあげようと思っただけだよ」
私からは見えないけどケイがどんな顔してるのかなんとなくわかる。
刺すような目つきで柏木先輩を睨んでるに違いない、この感じ。
「彗は怖いなぁ」
「……。」
「別に取って食ったりしないのに、ねぇ?」
柏木先輩がみんなに同意を求めるように微笑んだ。そしたらみんな笑うから。
「星がそんなことするわけないよな~!」
「そうだよ、星くんだよ?今のも優しさじゃん!」
「つーか星の弟独占欲強すぎだろっ」
これがみんなの柏木先輩だから。
そんなのわかってる、私だってわかってる…
本当はそんな人じゃないことなんか。
だからケイの手が震えてるんだよね?
怖くて震えてるんじゃない、怒りで震えてっ
「行くぞっ」
「わっ」
急にきつく締める腕が緩んだかと思えば、今度はグイッと力強く腕を引っ張られた。
下駄のせいで転びそうになる、それでも人ごみの中ぐいぐい歩いていくから転ばないように必死だった。
あぁどうしよう、私の中の柏木先輩がどんどん崩れていくから…
こんな風に微笑みかけられても嫌悪感しかなくて。
ずっと彗くんをいじめて苦しめて来たなんて、私は笑ってなんか返せないよ…!
「小村さん、髪の毛…ゴミ付いてるよ」
すっと柏木先輩の手が伸びて来て、私の髪の毛に触ろうとした。
だけど思わず避けちゃった。
あ、やばい…!
明らかに嫌がってるみたい、“人気者”の柏木先輩の前で…っ
「触んじゃねーよ」
「…!」
避けた私の体を支えるように後ろから腕が包み込んだ。
ガシッと力の入った腕はぎゅーっと私の体をまるっと抱きしめる。
「俺のだ、気軽に触んな」
ケイ…っ!?
この感じきっとデジャブ…!
前にもあった、初めて柏木先輩に会ってケイが現れた時も強く抱きしめられて動けなかったよね。
「ゔ…っ」
だから苦しいんだってば!
力強いの!
加減してってば!!
「髪の毛にゴミが付いてたから取ってあげようと思っただけだよ」
私からは見えないけどケイがどんな顔してるのかなんとなくわかる。
刺すような目つきで柏木先輩を睨んでるに違いない、この感じ。
「彗は怖いなぁ」
「……。」
「別に取って食ったりしないのに、ねぇ?」
柏木先輩がみんなに同意を求めるように微笑んだ。そしたらみんな笑うから。
「星がそんなことするわけないよな~!」
「そうだよ、星くんだよ?今のも優しさじゃん!」
「つーか星の弟独占欲強すぎだろっ」
これがみんなの柏木先輩だから。
そんなのわかってる、私だってわかってる…
本当はそんな人じゃないことなんか。
だからケイの手が震えてるんだよね?
怖くて震えてるんじゃない、怒りで震えてっ
「行くぞっ」
「わっ」
急にきつく締める腕が緩んだかと思えば、今度はグイッと力強く腕を引っ張られた。
下駄のせいで転びそうになる、それでも人ごみの中ぐいぐい歩いていくから転ばないように必死だった。