ブラックアトリエから不当に解雇されたけど、宮廷錬成師になっていた幼馴染と再会して拾われました〜実は隠されていたレアスキルで最高品質の素材を集めていたのは私だったようです〜
と、言いかけた瞬間――
クリムは突然、ハッと息を飲み込んだ。
「……そうか、わかったぞ」
「へっ?」
「あの、ショコラの試験は合格ってことで大丈夫そうですか?」
「は、はい。技術的な問題も特にございませんので、ショコラ・ノワール様は正式に宮廷錬成師の徒弟として宮廷への立ち入りは認められますが……」
中年騎士さんから遠回しに合格を伝えられる。
とりあえずそれは安心ではあるが、続けてクリムがとんでもないことを口走ってきた。
「ショコラ、試験は終わりだ。僕のアトリエに行く前に、まずは二人で神殿に行こう」
「神殿? なんで急にそんなところ……」
「ショコラの体のことが知りたいんだ」
「えぇ!?」
何言ってんのよあんた! と返す暇もなく、これまた急に腕を引かれて宮廷を後にした。