キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
「え、きゃあっ!」
「ふ、いい反応。その調子でベッドまでおいで。待ってる」
「~っ、だ、誰が、」
行くもんか!――と、頬を膨らませた私を見て、やっと満足したらしい。
凌生くんはすっかり濡れてしまったシャツを脱ぎながら、バスルームを後にした。
「のぼせるなよ」と言ってくれたけど……。
もし私がのぼせたら、それは凌生くんのせいだと思う。
「ん? そう言えば……」
凌生くんの待つベッドには行かない――と思ったけど。
私は今日から凌生くんの部屋で過ごすことになっていて……ベッドは一つだけ、だった気がする。
「一緒になんて無理だよ、寝られるわけない……っ」