キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
「むぐっ」


私が開けた口よりも大きな形のご飯が、口内に押し寄せてくる。

口の端に引っかかって入りきらなかったご飯は、雷斗くんの指により無理やり口に詰め込まれた。


「んむぅ……っ」

「はい、噛む。もぐもぐして」

「~っ」


く、苦しい……。

こんなにいっぱいのご飯を詰め込んだのは、生まれて初めてだよ……!


ごくんっ


「はぁ、はぁ……く、苦しかったです雷斗くんっ」

「でも食べられたじゃん、えらいえらい」


言いながら、指についたご飯をパクッと食べる雷斗くん。

うぇ、っ?

それは、さっき私の口内にズイッと入れた指だよね?
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