キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
「そ、そんな事しないでください」
「なんで?」
「き、きっと汚い……です」
すると雷斗くんは「ふっ」と笑って……なんだかイジワルな顔になる。
そして私の顎に手を添えて、顔を近づけた。
ぱくっ
「っ!」
「口の横、まだご飯ついてた」
「な、な……っ!」
だから、そんな事をしないでください――!
と注意をした後。
時間をかけてご飯を完食できた私は、満腹から来る眠気に襲われていた。
「みーゆーちゃん、眠いなら寝たら?」
「だ、ダメです……凌生くんがいつ起きるか分からないのに」
時計を見ると、午前三時。
雷斗くんが来てから二時間が経とうとしていた。
「雷斗くんも、もうお部屋に戻ってください……。あとは私に任せて、寝てください……」
「……任せられないからここにいるんだけどなぁ」
「今、何か言いましたか……?」
すると雷斗くんは静かに首を振った。