キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「俺は日ごろから昼夜逆転の生活してるから、こんな時間ぜーんぜん眠くないんだよ」

「そう、なんですか……?」

「そうそう。代わりに起きとくから、未夢ちゃんはちょっと休みなよ。春宮が起きたら、すぐ知らせてあげるから」

「でも……」


それだと悪い気が……。

雷斗くんも暇ってわけじゃないだろうし。


だから「やっぱり私が」と言いかけた瞬間。

雷斗くんにふわりと持ち上げられた。


「へ、わ、うゎ……っ」


どこに着地するかと思えば、凌生くんのベッド。

えぇ、どうしてここに!


「今は凌生くんが寝ているので、私は違うところで、」

「だってこの部屋ソファも何もないんだもん。寝るとしたら、ココしかないでしょ」

「でも……」


確かにキングサイズらしいベッドは、かなり広くて。

大きな凌生くんが寝転がっていても、私のスペースは余裕で確保できる。


「だからと言って、これは……って、わぁ! なんで雷斗くんも寝転がってるんですか」

「寝かしつけしてあげてんの。それに、あまりうるさくすると春宮が起きちゃうよ?」
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