キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
「……~っ」


なぜかベッドの上に凌生くん、私、雷斗くんの順番で寝転がっている。

横を見れば、凌生くんの寝顔。

反対を見れば、雷斗くんのニマニマした顔。


こ、こんなの寝られるわけないよ……っ。


だけど大きな声を出すと、せっかく寝てる凌生くんを起こすことになっちゃうから……観念して、静かに目をつぶる。

すると……なんだか、瞼が重たくなって。

だけど「寝るもんか」って、寝落ちしそうになる度に、何度も何度も意識を集中させていた。


すると私の悪あがきに気付いた雷斗くん。

諦めさせるように、私の背中をポンポン叩く。


「健気だねぇ、本当」

「け、なげ……?」


寝かけている上に背中ポンポンまでされて、私の意識がだんだん沈んでいくのが分かる。

だから雷斗くんの声は聞こえているんだけど……どこか上の空。
< 185 / 337 >

この作品をシェア

pagetop