キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

『あー、凌生がかわいい子といるー!』

『雷斗しらないの? あの子、総季家の養女だよ』

『凌生も抜け目ないですねぇ』

『違うっての……』


それからは、俺たち四人と未夢で遊んでいたっけな。


だけど、もちろん。

そんな俺たちを覇鐘が見過ごすはずもなく……




『分かっているな、春宮――――』




ハッ


「はぁ、はぁ……」


目を開けたあと、少ししてからフーと深呼吸をする。

その際に手足を少し動かして、ベッドに寝ているのだと分かった。


そうか俺、毒を飲んだんだっけな。正確には食べた、だが。


「だけど……嫌なこと思い出したな」


髪をかきあげ、ため息をつく。

すると視界の隅で「うぅん」と声が聞こえた。
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