キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
「……なんだ、これ」
気怠い体を動かした時。
衝撃的な光景を目にしてしまう。
「なんで未夢と夏屋が抱き合って寝てるんだよ」
俺の横で、体を寄り添い合いながら眠っている二人。
何を考える間もなく、夏屋だけをベッド下に落とした。
ドンッ
「わ!」
「おい、ここで何してる」
「いったいなぁ……、最悪の目覚めだよ」
眠たいのか、目をこする夏屋。
「いいから答えろ」と言うと、立てた人差し指を自分の口へ持って行き「静かに」と夏屋が呟く。
「まだ五時か。未夢ちゃんが寝て二時間も経ってないから、起こしたら可哀想だよ」
「は? そんな夜遅くまで未夢は何してたんだよ」
「なにって……はぁ、これだから春宮は」
自分が看病してもらった事を覚えてないの?――と。
夏屋にそう言われ、ハッと気づいた。
そうか、未夢は俺を看ていてくれたのか。
「廊下に出るぞ。色々聞きたい」
「はいよー」