キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「総季家が未夢を消しにかかってるってことだ」

「……いやいやいや、いくら未夢ちゃんを虐げてきたからって、命までは」

「ですがB地区で未夢さんが絶命したとあらば、全てB地区のせいに出来ます。自分たちに罪はかからない。消すにはもってこいの場所、というわけですね」

「消すって……」


仮にも家族だろ?と、声を震わせる夏屋。

確かに、誰だって信じたいはずだ。

「家族が同じ家族の命を狙うなんてありえない」と。


「でも、昔から未夢はひどい扱いを受けて来た。兄貴から冷たくされているのを何度も見てきたのが証拠だ」

「あのさ、春宮」


その時、冬城が疑問を口にする。


「あの子とお風呂に入った?」

「は?」
「へ?」
「……どういうことだよ」


三者三様。

それぞれの反応を見たところで、冬城が首を横に振る。
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