キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「残念ながら誰のことも覚えてない。だから自己紹介って言ってんだろ」

「げ、まじ? 春宮クン可哀想~」


その言葉に春宮さんがムッとした顔をする。

な、なんだか険悪な雰囲気なんだけど……。

もしかしてこの人たち、仲が悪いのかな?


「おい、未夢」

「っ! は、はい」


いけない、ぼーっとしてた。

頭をぷるると振って、私を呼んだ春宮さんを見る。


「これから嫌でも顔見知りになるだろうから紹介する、一度で覚えろ」

「え、……は、はいっ」

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