キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「こんなことしてるから仲が悪いんだよ、フロンティアは」

「同感です。力を合わせれば、それなりに強いと思うんですけどね」

「……って言ってるけど?」


ドアの取っ手を握りながら、俺に聞く冬城。

なにが「って言ってるけど?」だ。


「せっかく四人揃ってる部屋からすぐ戦線離脱しようとするヤツが言えた言葉じゃないな。輪を乱してるのはお前だろ、冬城」

「……可愛くない。そもそも俺が一番年上なのに、みんな生意気だよ」


その発言に、俺ら三人は声を揃えて「え」と驚く。


「みんな高校三年生だろ? いまさら何言ってんだ」

「……仕事のしすぎで出席日数足りなくて、一度留年してるんだよ。だから皆より一個年上」

「りゅう、」

「ねん……」


夏屋と秋國が繰り返したところで。

俺ら三人は「ブーっ!」と吹き出した。
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