キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「反撃も大事ですが、今はこれ以上やられないようにしなければ。迎撃の準備も必要でしょう?」

「――ふっ、そうだな」


怜が単独で何をするのかは全く想像できないが……心配しなくてもいい、そんな気がする。

たぶん、これが「信じる」って事なんだろう。


「信じる、なんて言葉。久しぶりに使ったな」

「俺もー」


言い合う俺たちを見て、梗一が笑った。


「いいんじゃないですか? 私たちも少しは人間味が出て来た、ということで」


その言葉にくすぐったい気持ちになったのを、きっとそれぞれが隠して。

さっそく未夢を奪還するための作戦会議を開始した。


「待ってろよ、未夢」


俺が……いや。

俺たちが、必ずお前を助けてやるからな――



*凌生*end


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