キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「ま、そん時は助けてやるよ」

「仲間、ですからねぇ」

「……おーよ!」


ガツン、と拳をぶつけ合った後。

三人とお兄さまが族に切り込んだのをきっかけに、フロンティアの人達も一気に攻め込んだ。


フロンティアの方が優勢……なんだけど。

少しだけ胸に引っかかる事がある。



――だから登下校とかで、あんたを連れ出そうと思ってたんだけど、何かと邪魔が入ってな



「……怜くん。どうやら私はイレイズに守られていたから、今まで無事だったみたいです。金髪の男たちが言っていました」

「へぇ、そうだったの。まぁ覇鐘の差し金だとは思ったけどね」

「イレイズにお礼をしなくていいのでしょうか。私は……」


少しだけ、心苦しいです――

すると怜くんがあっけらかんとした口調で言った。
< 280 / 337 >

この作品をシェア

pagetop