キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
「ま、そん時は助けてやるよ」
「仲間、ですからねぇ」
「……おーよ!」
ガツン、と拳をぶつけ合った後。
三人とお兄さまが族に切り込んだのをきっかけに、フロンティアの人達も一気に攻め込んだ。
フロンティアの方が優勢……なんだけど。
少しだけ胸に引っかかる事がある。
――だから登下校とかで、あんたを連れ出そうと思ってたんだけど、何かと邪魔が入ってな
「……怜くん。どうやら私はイレイズに守られていたから、今まで無事だったみたいです。金髪の男たちが言っていました」
「へぇ、そうだったの。まぁ覇鐘の差し金だとは思ったけどね」
「イレイズにお礼をしなくていいのでしょうか。私は……」
少しだけ、心苦しいです――
すると怜くんがあっけらかんとした口調で言った。