キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
「あ、あはは。けど、普通に恨まれそうだよね……。最近の総季は調子に乗ってるって、あちこちで聞くもん」

「え、聞いちゃうの?」

「たまたまね……」


作り話はともかく。

私の家――総季は、本当にやることが無茶苦茶で。

屋敷の中でも、いつも使用人の誰かが泣いてる、ひどい有様。

それに、私だって……。


「それより未夢!

さっきの話には続きがあってね。その反逆者の集まりは、実は暴走ぞ、」


プルル


「あ、ごめんッ。電話だ」

「はいよー、待ってる」


話の腰を折られて、しょんぼりする麻琴ちゃん。

うぅ、ごめんね。すぐ戻るから!


麻琴ちゃんから少し離れて、通話ボタンをタップする。

わざわざ離れた理由は……。


ピッ


「……はい。み、未夢です」

『遅い。ワンコールで出るって約束、もう忘れたのか?』
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