キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
「未夢が家のしがらみから解放された日なんだぞ? 笑えって」
「ごめんなさい、なんか……嬉しくて」
「――ま、いっか」
「え」
泣き虫すぎて、ついに呆れられた?
不安に思っていると「よく言うだろ」と凌生くんは私の左手を取った。
「病める時も健やかなる時も支えるってさ」
「それって……」
ドラマとかで、たまに聞くセリフ。
でも、それは……
「結婚する男女が誓う言葉ですよね……?」
おずおずと聞くと、凌生くんはニッと笑った。
「へぇ、知ってるのか。なら話は早いな」
「え?」
「兄貴も結婚するなら急げと言っていたし。高校生でも結婚できるよう法律を改正する草案を早速明日から、」
「ちょ、ちょっと待ってください凌生くんっ」
結婚とか、なんとか。
話が飛躍しすぎて分からないよっ。