キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
「私……凌生くんが好きなんです」
「知ってる」
「でも総季があぁなった今、もう凌生くんを諦めた方がいいんじゃないかって……ココで過ごしながらも、そう思ってました」
「うん。それも知ってる」
「だけど……っ」
――だから未夢も自由に生きろ
――お前は凌生と結婚できる
「私、これからも凌生くんのそばにいていいんですねっ」
「……ふっ、当たり前だろ」
くしゃっと乱暴に髪を撫でる凌生くん。
私の頬を流れる涙に、いくつかの髪がまとわりつく。
だけど凌生くんはゆっくりと髪を払ってくれて……両手で私の頬を包んだ。
「俺は未夢を好きにできるし、未夢も俺を好きにできるってことだ」
「い、言い方が……」
「その通りだろ?」
そしてチュッと軽く唇をつける凌生くん。
きっと私に合わせて、激しくしたいところを我慢してるんだろうな。
だけどね、凌生くん。
「ごめんなさい、あの……足りない、です」
「は?」
「なんだか今日は、いっぱいしてほしいんですっ」