キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「敬語はなしって言ったのに、まだ使う未夢が悪い」

「そ、そんな! だって、すぐには、」

「すぐには?」

「んんぅ、」


いつの間にか肩紐が緩くなって、下着本来の役割を果たしていない。

スースーする胸元に焦る私とは反対に、なんとも楽しそうな凌生くん。


「このまま俺がパクっと食べていい?」

「い、〝いけません〟……、あっ」

「――ふっ」


凌生くんは笑った。

それはそれは、もう本当に楽しそうな笑みを浮かべて。


「はい敬語。新たな罰を加えないとな?」


パクッ


「あ、あぁ……っ!」


服の上から食べられるだけで、ものすごく反応しちゃって……。

恥ずかしくてはずかしくて、この状況から逃げなきゃと辺りを見回す。

だけど――


「なに考え事してるんだよ」

「な、なんでもありませんっ」

「はい、敬語。アンド嘘ついた罰」

「ん、あぅぅ……っ」


何をしても凌生くんから逃げ出すことは出来なくて。

恥ずかしさと焦りから、何度も敬語を使っては自分の首をしめていき――

結局、意識を飛ばしてしまった。
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