キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「そうだった、私……っ」


思い出した。

幼い頃、凌生くん達と会っていたことも。

何度も助けてもらい、なぐさめてもらったことも。


『未夢、また泣いてるの?』

『大丈夫、未夢はなにも悪くない』

『僕は未夢の味方だよ――』


そんな優しい凌生くんに、初めて恋をしたことも――


そう、そうだった。

凌生くんは私の初恋の人で、

今でも忘れられない、好きな人。


「凌生くん……私、わたし……っ」


嬉しい、やっと会えたんだ。

急に会えなくなってそれきりだったから、もう会えないかと思ってた。

こんな風に再会できるなんて――っ。


「ずっとずっと、凌生くんに会いたか、」

「ストップ」
< 33 / 337 >

この作品をシェア

pagetop