キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
「え――」


すると凌生くんはガチャリとドアを開け、颯爽と部屋から姿を消した。

滑らかで無駄のない動き。

もしかして凌生くん、こういう事に慣れてるのかな……。


「凌生くん、大丈夫かな……」


暴走族ってアレだよね?

グループ同士でケンカとかするんだよね?


「でも人の心配をしてる場合じゃないか。だって私は暴走族の人質としてココに閉じ込められるんだから……」


考えることが多すぎて頭がショートしちゃった。

やっとのことで立ち上がった体は、力なくベッドに降りていく。


「やっと凌生くんと再会できたのに」


それに腑に落ちないことがある。


――だって俺は、お前の兄貴の


「あの続きは……なんだったんだろう」
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