キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
act4······▸ 同居
「ぜんぶ荷物持ったか?」
「もともと着の身着のまま来たので……荷物は何もありません」
「ふっ、そうだったな。じゃあ移動するか」
そう言って私より前を歩く凌生くん。
私はハテナを頭に浮かべながら、大きな背中を追った。
私たちは何をしているかというと――――
ことの発端は五分前。
雷斗くんと梗一くんが部屋を去ってから、しばらく経った後。
壊れたドア……の近くの壁をノックしたのは、まさかの凌生くんだった。
『引っ越しするぞ。荷物をまとめろ』
『……へぁ?』
そんな会話をしてから五分後。
私は凌生くんと廊下を歩いている。