キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ
act4······▸ 同居






「ぜんぶ荷物持ったか?」

「もともと着の身着のまま来たので……荷物は何もありません」

「ふっ、そうだったな。じゃあ移動するか」


そう言って私より前を歩く凌生くん。

私はハテナを頭に浮かべながら、大きな背中を追った。


私たちは何をしているかというと――――


ことの発端は五分前。

雷斗くんと梗一くんが部屋を去ってから、しばらく経った後。

壊れたドア……の近くの壁をノックしたのは、まさかの凌生くんだった。


『引っ越しするぞ。荷物をまとめろ』

『……へぁ?』


そんな会話をしてから五分後。

私は凌生くんと廊下を歩いている。
< 67 / 337 >

この作品をシェア

pagetop