あの夜に焦がれる。


昼に初めて会った時の理央も、今目の前にいる理央も、どちらも綺麗で、全身が理央自身だと、そう叫んでいるような感じがする。



「髪、あんなに長かったのに切ったの?」


「いやこっちが地毛。昼のはウィッグ」


「……綺麗だね」


夜風に吹かれる銀色の髪は月光に照らされて、輝いているように見える。

まるでキラキラと輝く宝石のようだった。


そっと、理央の髪に触れてみる。

艶のある一本一本の毛は切れてしまいそうなほど繊細で柔らかい。



「いつまで触ってんの」


「え、あ……、ごめん」


無意識だった。あまりにも綺麗だから。

理央の前髪からパッと手を離し、だんだんと熱くなる手のひらをぎゅっと握る。

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