あの夜に焦がれる。
画面を開くと理央からのメッセージが2時間前に2件届いていることが分かった。
「いつ寝てるんだ……」
もしかして急ぎの用事だったのかなと思いながらメッセージアプリを開く。
『今日暇だったら俺の家来いよ、何時でも良いぞ』
「理央の家……!?」
メッセージとともに家の住所も送られていて、これは行かないといけないのかと首をかしげる。
まだ知り合ってすぐなのに僕が理央の家に行っても良いのだろうか。
というか友達の家に行くという行為が久々すぎて何を持っていけば分からない。
家ってことは理央の家族もいるだろうし失礼のないようにしないと。
住所を確認すると家から30分くらいで意外と近いことが分かった。
何時でも良いって連絡が来たけど、流石にこんな朝方に行ったら迷惑だ。
「……とりあえず午前中は勉強しようかな」
昼過ぎに行くという連絡をし、シャーペンを持って勉強に取り組んだ。
勉強はどちらかといえば好きだ。
特に数学。答えが1つと決まっていても、いくつもの計算方法があって面白い。