あの夜に焦がれる。
基本的な知識を取り入れれば応用として使えるし、何よりも答えにたどり着くまでの考える時間が僕にとっては楽しいものだった。
2年生になったら文系コースと理系コースに分かれるが、僕は迷うことなく理系を選ぶだろう。
国語や社会も嫌いではないけど、基本的に暗記ばかりでつまらない。
それに僕が理系を選んで医者になる道を進めばきっとお母さんは喜んでくれるのだろう。
お父さんがもともと医者だったため、お母さんはよくお父さんはこんな人だったということを話す。
直接的には僕の将来について触れてこないけど、間接的には触れてくるのできっと僕にも医者になってほしいのだと思う。
漢字の書き取りという一番面倒くさい宿題を終わらせ、数学の問題集に手をかける。
指定されたページを開き、無我夢中で問題を解き始めた。