あの夜に焦がれる。


僕は静かに涙をこぼした。



今になって後悔しても遅い。

僕は震える唇を嚙みしめて、理央との思い出を振り返った。



今から3年前。高校1年生の夏。

汗が流れ落ちるほど蒸し暑い日に出会った。




『なあ、お前ちゃんと息してねえだろ』


『は?』



自由奔放で毒舌を放つ理央と過ごした、

たった1ヶ月間の、ある夏の話だ。


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