クズ男に囚われたら。
「あの真面目な七帆ちゃんがって思うといまだに不思議……って、あれ。このグラフってどうやって作るんだっけ?」
「んー、どれ?」
お喋りをしながらも、課題のデータまとめはちゃんとやるわたしたち。
パソコンがあまり得意ではない栞に教えながらも、頭の隅では瀬能とのことを考えていた。
確かに、栞の言う通り。
会いに行かなきゃいい話なんだ。
クラスは違う。接点は風紀委員としての生活指導のときだけ。
わかっては、いるんだけど。
「依存、だよね」
いざ言葉にすると、どうしようもなく自分に呆れてくる。
抜け出そうなんて、所詮は口だけ。
あの瀬能との時間をわたしは求めてしまっているんだ。