Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
* * * *
瑠維が用意してくれたバスローブを着てからリビングに戻ると、瑠維が冷蔵庫からケーキの箱を取り出しているところだった。
「そ、それってあのフルーツタルトのお店の⁈」
「春香さんもお好きですか? 僕も好きで時々買いに行くんです」
箱を開けると、中にはフルーツタルトが二つ並び、輝きを放っている。
「冬季限定の季節のフルーツタルト、食べたいなぁって狙っていたの。嬉しいなぁ」
いつも行列が絶えない店なので、普段は仕事が休みの日に一人でも食べに行ったりしていた。ここ最近はいろいろなことが重なり、なかなか行くことが出来なかったので、春香の心は踊った。
瑠維が食器棚から皿とフォークを出し、春香がタルトを皿に移し替える。それから二人はカウンターに並んで座ると、ほぼ同時に食べ始めた。
「あぁ、美味しい……こんな時間に食べているのが罪悪感たっぷりなんだけど」
「それならまた泳ぎに行きますか?」
「うーん……明日も早番だし、今日はやめておく」
昨夜のことを思い出し、恥ずかしそうに俯いた。そのことに気付いたのか、瑠維は嬉しそうに微笑む。
「それなら違う運動をしませんか?」
瑠維が何を言いたいのかわかった春香は、大きなため息をついた。
「瑠維くんの体力は底なしなのねぇ」
タルトをペロリと食べ終えた春香は、同じく空になった瑠維の皿を持つと、キッチンへ急いだ。瑠維に赤くなった顔を見られないよう、俯きがちに洗い物を始める。
本音を言えば、もう一度瑠維くんに抱かれたいと思ってしまったが、それを悟られないように配慮する。
だってこんなに性欲が強いなんてバレたくないものーー。
背後に立った瑠維は、背後から春香の体を抱きしめた。
「瑠維くん?」
「ーー僕自身も驚いています」
春香の心臓が激しいリズムを刻み、息苦しくなっていくのを感じる。
「こんなに春香さんが欲しくて、求めてしまうーーこんな僕を抑えられなくて、あなたに拒絶されたらどうしようと不安になるのに、止められないんです」
洗い物を終えた春香はタオルで手を拭ってから、くるりと体を回転させて瑠維の方を振り返る。
彼がどんな表情をしているのか確認しようとしたのに、無表情のため読み取ることは出来なかった。
瑠維が用意してくれたバスローブを着てからリビングに戻ると、瑠維が冷蔵庫からケーキの箱を取り出しているところだった。
「そ、それってあのフルーツタルトのお店の⁈」
「春香さんもお好きですか? 僕も好きで時々買いに行くんです」
箱を開けると、中にはフルーツタルトが二つ並び、輝きを放っている。
「冬季限定の季節のフルーツタルト、食べたいなぁって狙っていたの。嬉しいなぁ」
いつも行列が絶えない店なので、普段は仕事が休みの日に一人でも食べに行ったりしていた。ここ最近はいろいろなことが重なり、なかなか行くことが出来なかったので、春香の心は踊った。
瑠維が食器棚から皿とフォークを出し、春香がタルトを皿に移し替える。それから二人はカウンターに並んで座ると、ほぼ同時に食べ始めた。
「あぁ、美味しい……こんな時間に食べているのが罪悪感たっぷりなんだけど」
「それならまた泳ぎに行きますか?」
「うーん……明日も早番だし、今日はやめておく」
昨夜のことを思い出し、恥ずかしそうに俯いた。そのことに気付いたのか、瑠維は嬉しそうに微笑む。
「それなら違う運動をしませんか?」
瑠維が何を言いたいのかわかった春香は、大きなため息をついた。
「瑠維くんの体力は底なしなのねぇ」
タルトをペロリと食べ終えた春香は、同じく空になった瑠維の皿を持つと、キッチンへ急いだ。瑠維に赤くなった顔を見られないよう、俯きがちに洗い物を始める。
本音を言えば、もう一度瑠維くんに抱かれたいと思ってしまったが、それを悟られないように配慮する。
だってこんなに性欲が強いなんてバレたくないものーー。
背後に立った瑠維は、背後から春香の体を抱きしめた。
「瑠維くん?」
「ーー僕自身も驚いています」
春香の心臓が激しいリズムを刻み、息苦しくなっていくのを感じる。
「こんなに春香さんが欲しくて、求めてしまうーーこんな僕を抑えられなくて、あなたに拒絶されたらどうしようと不安になるのに、止められないんです」
洗い物を終えた春香はタオルで手を拭ってから、くるりと体を回転させて瑠維の方を振り返る。
彼がどんな表情をしているのか確認しようとしたのに、無表情のため読み取ることは出来なかった。