Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
「す、すごい……。海外ドラマに入り込んだみたい」
道路沿いの家のほとんどがビルドインガレージになっており、外からは容易に入れないようになっている。
こんな建物が日本にもあるんだーーテレビでしか見たことのない景色に驚いていると、車がゆっくりと徐行して止まった。
「着きました。ここです」
以前に外観や、中古で買ったばかりの頃の写真を見せてもらったことがあった。その頃のガレージのシャッターは少し汚れが目立っていたが、今は色も塗り直されて綺麗になっている。
白い塀に、茶色のシャッター。どこかフレンチカントリーを思わせる色合いは、春香が好きなカラーだったこともあり胸が高鳴った。
瑠維はポケットからリモコンを取り出し、ボタンを押すと同時にシャッターがゆっくりと上に上がっていく。そこは車が二台ほど置けるスペースがあり、向かって左側の壁にあるドアから家に入れるようだった。
瑠維は車をバックで入れると、すぐにシャッターを閉めた。
その一連の動きを目の当たりにした春香は、初めての経験ばかりでつい興奮し、目を輝かせながら周りをキョロキョロと見回す。
「私、ビルドインガレージって初めて経験したからドキドキしちゃった」
「実は僕も初めてなんです。ちゃんと開くのか緊張しました」
「えっ、そうなの? 何度もやってるのかと思っちゃった」
二人は車から降りると、先ほど見えたドアまで歩く。
「前に来た時はまだ電気が通っていなかったので。今は電気もガスも水道もちゃんと使えるようになっていますよ」
「じゃあ今すぐにでも住めちゃうね」
「えぇ、いつでも大丈夫です」
ドアを開けると屋根がついた通路があり、そこを一メートルほど歩くと、今度は左側に扉が現れる。
「ちょっと面倒かもしれませんが、この左側のドアが第一のドアで、マンションのオートロックドアみたいなものですね」
「じゃあここはエントランス?」
右へ二メートルほど進むと玄関ドアがある。その玄関ドアの前のアプローチには両脇にに植物が植っていて、ちょっとした庭のような感じだった。
「まさにそうです。あの奥の扉が玄関でーー」
瑠維がそう言いかけた時だった。家の中から呼び鈴が鳴り響くのが聞こえたかと思うと、
「君島さん、いらっしゃいますかー?」
と外へと続く扉の向こう側から、突然声が聞こえたのだ。
道路沿いの家のほとんどがビルドインガレージになっており、外からは容易に入れないようになっている。
こんな建物が日本にもあるんだーーテレビでしか見たことのない景色に驚いていると、車がゆっくりと徐行して止まった。
「着きました。ここです」
以前に外観や、中古で買ったばかりの頃の写真を見せてもらったことがあった。その頃のガレージのシャッターは少し汚れが目立っていたが、今は色も塗り直されて綺麗になっている。
白い塀に、茶色のシャッター。どこかフレンチカントリーを思わせる色合いは、春香が好きなカラーだったこともあり胸が高鳴った。
瑠維はポケットからリモコンを取り出し、ボタンを押すと同時にシャッターがゆっくりと上に上がっていく。そこは車が二台ほど置けるスペースがあり、向かって左側の壁にあるドアから家に入れるようだった。
瑠維は車をバックで入れると、すぐにシャッターを閉めた。
その一連の動きを目の当たりにした春香は、初めての経験ばかりでつい興奮し、目を輝かせながら周りをキョロキョロと見回す。
「私、ビルドインガレージって初めて経験したからドキドキしちゃった」
「実は僕も初めてなんです。ちゃんと開くのか緊張しました」
「えっ、そうなの? 何度もやってるのかと思っちゃった」
二人は車から降りると、先ほど見えたドアまで歩く。
「前に来た時はまだ電気が通っていなかったので。今は電気もガスも水道もちゃんと使えるようになっていますよ」
「じゃあ今すぐにでも住めちゃうね」
「えぇ、いつでも大丈夫です」
ドアを開けると屋根がついた通路があり、そこを一メートルほど歩くと、今度は左側に扉が現れる。
「ちょっと面倒かもしれませんが、この左側のドアが第一のドアで、マンションのオートロックドアみたいなものですね」
「じゃあここはエントランス?」
右へ二メートルほど進むと玄関ドアがある。その玄関ドアの前のアプローチには両脇にに植物が植っていて、ちょっとした庭のような感じだった。
「まさにそうです。あの奥の扉が玄関でーー」
瑠維がそう言いかけた時だった。家の中から呼び鈴が鳴り響くのが聞こえたかと思うと、
「君島さん、いらっしゃいますかー?」
と外へと続く扉の向こう側から、突然声が聞こえたのだ。