Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
「あのね……瑠維くんに伝えることがあるんだ」
こんなことを言ったら瑠維くんはどう思うかなーー少し緊張しながら、春香は小さく深呼吸をしてから顔を上げた。
すると瑠維は緊張した面持ちで、眉間に皺を寄せたまま春香を見つめている。
「瑠維くん?」
「な、なんでもないので、どうぞ続けてください」
「うん、あのね、昨日店長に呼ばれてーーここから二駅先に、来年の三月末にショッピングモールがオープンするんだって。そこの新規店舗のオープニングスタッフに決まったの」
「……えっ?」
キョトンとした顔で言葉を失っている瑠維に、春香は照れたように笑いかけた。
「だから……ここで瑠維くんと一緒に暮らしてもいい?」
すると瑠維が珍しく顔を押さえてしゃがみ込んだので、具合でもわるいのかと慌てて駆け寄る。その瞬間、春香の体は瑠維の腕に強く抱きしめられた。
「……急に伝えることなんて言うから、少し焦りました……良かった……」
ふと彼の顔を覗き込んでみると、泣きそうな顔を真っ赤に染めている。そんな姿を見てしまったものだから、春香の母性本能が激しくくすぐられ、ハートを思い切り撃ち抜かれてしまった。
先ほどの表情を思い出し、ようやくその理由に納得がいった。
「もしかして、悪い報告だと思ってた?」
「……少しだけ思ってました。春香さんが急に話し始めるからーー」
自信なさげに目を伏せた瑠維の顔を両手で挟んで引き寄せると、春香は彼にすかさずキスをする。
「こんなに瑠維くんが大好きなのに?」
その言葉を聞いた瑠維は、嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「あの……無理はしていないですか? 僕に気を遣ってくれたのならーー」
「瑠維くん」
「は、はい……」
「私、何が自分の中で一番大事なのか考えたの。仕事も大切だけど、でもそれは勤務先さえあればどこでも出来るかなって。それよりも瑠維くんと離れたくないって思ったんだよ」
「でも僕は元々春香さんと離れるつもりは……」
「それに……ローンと家賃の二重支払いはもったいないでしょ? 今後いろいろお金もかかるだろうし……」
こんなこと言ったら、まるで結婚を意識してるみたいに捉えられちゃう⁈ 春香は自分が言い過ぎだ気がして焦ったが、瑠維には伝わっていないようだったので、ホッと胸を撫で下ろす。
「あの……本当にいいんですか?」
「瑠維くん、私、耳たぶ触ってないよ。それに瑠維くんが受け入れてくれないと、仕事が始まる前に家を探さなきゃいけなくなっちゃうんだけど」
二人は顔を見合わせると、クスリと笑い合う。それからどちらからともなくキスが始まった。
こんなことを言ったら瑠維くんはどう思うかなーー少し緊張しながら、春香は小さく深呼吸をしてから顔を上げた。
すると瑠維は緊張した面持ちで、眉間に皺を寄せたまま春香を見つめている。
「瑠維くん?」
「な、なんでもないので、どうぞ続けてください」
「うん、あのね、昨日店長に呼ばれてーーここから二駅先に、来年の三月末にショッピングモールがオープンするんだって。そこの新規店舗のオープニングスタッフに決まったの」
「……えっ?」
キョトンとした顔で言葉を失っている瑠維に、春香は照れたように笑いかけた。
「だから……ここで瑠維くんと一緒に暮らしてもいい?」
すると瑠維が珍しく顔を押さえてしゃがみ込んだので、具合でもわるいのかと慌てて駆け寄る。その瞬間、春香の体は瑠維の腕に強く抱きしめられた。
「……急に伝えることなんて言うから、少し焦りました……良かった……」
ふと彼の顔を覗き込んでみると、泣きそうな顔を真っ赤に染めている。そんな姿を見てしまったものだから、春香の母性本能が激しくくすぐられ、ハートを思い切り撃ち抜かれてしまった。
先ほどの表情を思い出し、ようやくその理由に納得がいった。
「もしかして、悪い報告だと思ってた?」
「……少しだけ思ってました。春香さんが急に話し始めるからーー」
自信なさげに目を伏せた瑠維の顔を両手で挟んで引き寄せると、春香は彼にすかさずキスをする。
「こんなに瑠維くんが大好きなのに?」
その言葉を聞いた瑠維は、嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「あの……無理はしていないですか? 僕に気を遣ってくれたのならーー」
「瑠維くん」
「は、はい……」
「私、何が自分の中で一番大事なのか考えたの。仕事も大切だけど、でもそれは勤務先さえあればどこでも出来るかなって。それよりも瑠維くんと離れたくないって思ったんだよ」
「でも僕は元々春香さんと離れるつもりは……」
「それに……ローンと家賃の二重支払いはもったいないでしょ? 今後いろいろお金もかかるだろうし……」
こんなこと言ったら、まるで結婚を意識してるみたいに捉えられちゃう⁈ 春香は自分が言い過ぎだ気がして焦ったが、瑠維には伝わっていないようだったので、ホッと胸を撫で下ろす。
「あの……本当にいいんですか?」
「瑠維くん、私、耳たぶ触ってないよ。それに瑠維くんが受け入れてくれないと、仕事が始まる前に家を探さなきゃいけなくなっちゃうんだけど」
二人は顔を見合わせると、クスリと笑い合う。それからどちらからともなくキスが始まった。