Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
7
瑠維が出かけてから、しばらくソファに座ってぼんやりと考え事をしていた。
まさか瑠維くんが作家だっただなんてーーでも確かにそう言われると、キレイな日本語やフリーランスと言っていた時間の使い方など、納得がいくことが多かった。
ずっと気になっているのが、彼が大学生の時に書いたという『Love is blind』。読んでみたい衝動に駆られていた。
とうとう我慢の限界がやってきた春香は、もらったばかりの合鍵を持って部屋を飛び出したのだ。
瑠維のマンションは職場から近いため、本屋の場所もしっかり頭に入っている。ただ彼がどれほどの作家なのかもわからなかった春香は、なるべく大きい本屋を目指すことにした。
春香が勤めている南武デパートの入口から店内へ入ると、エレベーターに乗って八階まで昇っていく。
ここ八階はフロア全てが本屋のため探しやすいと思ったのだが、逆に本が多過ぎて見つけられなくなる。
これは聞いた方が早いかもしれないーーそう思った春香は店員に声をかけて、瑠維の本がある場所まで案内してもらった。
「こちらになります」
「はい、ありがとうございます」
本棚を見ると、蒼葉類の本が十冊ほど並んでいる。一冊ずつあらすじを読んでみるが、やはりどれもミステリー小説だった。その並びの一番端に、ようやく『Love is blind』を見つけることが出来た。
手に取ってみると、淡いピンク系の花に埋め尽くされた表紙にLove is blindと書かれていて、ほかの作品とは表紙のデザインが違うような気がした。
やはり恋愛小説だからだろうか。気になりつつも、あらすじを読むのはやめて、そのままレジへと持っていく。
作家としての瑠維が生まれた作品。そして後にも先にも、恋愛小説はこれだけ。それならば先入観を持たずに作品に入り込みたいと思った。
本を握りしめた春香は真っ直ぐ家に帰り、ソファに座ると、少し緊張した心を鎮めるために深呼吸をしてから本を開いた。
まさか瑠維くんが作家だっただなんてーーでも確かにそう言われると、キレイな日本語やフリーランスと言っていた時間の使い方など、納得がいくことが多かった。
ずっと気になっているのが、彼が大学生の時に書いたという『Love is blind』。読んでみたい衝動に駆られていた。
とうとう我慢の限界がやってきた春香は、もらったばかりの合鍵を持って部屋を飛び出したのだ。
瑠維のマンションは職場から近いため、本屋の場所もしっかり頭に入っている。ただ彼がどれほどの作家なのかもわからなかった春香は、なるべく大きい本屋を目指すことにした。
春香が勤めている南武デパートの入口から店内へ入ると、エレベーターに乗って八階まで昇っていく。
ここ八階はフロア全てが本屋のため探しやすいと思ったのだが、逆に本が多過ぎて見つけられなくなる。
これは聞いた方が早いかもしれないーーそう思った春香は店員に声をかけて、瑠維の本がある場所まで案内してもらった。
「こちらになります」
「はい、ありがとうございます」
本棚を見ると、蒼葉類の本が十冊ほど並んでいる。一冊ずつあらすじを読んでみるが、やはりどれもミステリー小説だった。その並びの一番端に、ようやく『Love is blind』を見つけることが出来た。
手に取ってみると、淡いピンク系の花に埋め尽くされた表紙にLove is blindと書かれていて、ほかの作品とは表紙のデザインが違うような気がした。
やはり恋愛小説だからだろうか。気になりつつも、あらすじを読むのはやめて、そのままレジへと持っていく。
作家としての瑠維が生まれた作品。そして後にも先にも、恋愛小説はこれだけ。それならば先入観を持たずに作品に入り込みたいと思った。
本を握りしめた春香は真っ直ぐ家に帰り、ソファに座ると、少し緊張した心を鎮めるために深呼吸をしてから本を開いた。