Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
「今日の夕飯、何にしようか? 昨日も今日も朝ごはん作ってもらっちゃったし、食べたいのあったら言ってね!」
すると瑠維は何かを思い出したのか、小さく口を開けた。
「そういえば春香さんが昨夜食べ損ねたおかず、僕がお昼にいただきました」
「あっ! 忘れてた! えっ、一日経ったけど大丈夫だった?」
「美味しかったですよ。なので家には何もありません」
そう言い終えてから、瑠維はおずおずと春香の手を握り、駅へ向かって歩き出す。
「あの、春香さんさえ良かったら、一番最初に二人で行ったうどん屋に行きませんか?」
「カレーうどんの? いいね、久しぶりに食べたいかも」
「じゃあ行きましょう。僕も急に食べたくなってしまったので」
二人は人の波に乗るように歩いていく。
初めて二人でこの道を歩いてうどん屋に行った時は、まだ再会したばかりで相手のことを全くわからない状況。どこまで踏み込んでいいのかわからず、手探りだった。
自分のために瑠維の時間を使ってしまうのが申し訳ないと思っていたのに、そんな春香の心の壁を彼はいとも簡単に取り払ってしまったのだ。
あの日から一ヶ月足らずでこんなにも関係が変わるなんてーー。
店に着くと、偶然にも前回と同じ席に通される。お互いに前回と同じものを注文すると、二人は顔を見合わせて笑い合う。
「なんだか不思議な感じ。前に来た時は再会した初日ったもんね。すごく気を遣って、ぎこちなかったのを覚えてる」
「そうでしたね」
「聞きたかったんだけど、あの再会って偶然だったの?」
「……池田先輩がパフェを食べに来いってかなり強引に誘ってきたんです。仕方なく店に行ったら春香さんがやって来て、本当に焦りました」
なるほど。やはりあの再会は仕組まれたものだったんだ。そう考えると納得する。
「……池田先輩は僕の気持ちを知っていましたからね。きっと近藤先輩と春香さんが友だちだと知って、僕を引き合わせようとしたんでしょう」
「瑠維くんは……ヒロくんにその……私のことを話したことがあるの?」
すると瑠維は苦笑しながら首を横に振った。
すると瑠維は何かを思い出したのか、小さく口を開けた。
「そういえば春香さんが昨夜食べ損ねたおかず、僕がお昼にいただきました」
「あっ! 忘れてた! えっ、一日経ったけど大丈夫だった?」
「美味しかったですよ。なので家には何もありません」
そう言い終えてから、瑠維はおずおずと春香の手を握り、駅へ向かって歩き出す。
「あの、春香さんさえ良かったら、一番最初に二人で行ったうどん屋に行きませんか?」
「カレーうどんの? いいね、久しぶりに食べたいかも」
「じゃあ行きましょう。僕も急に食べたくなってしまったので」
二人は人の波に乗るように歩いていく。
初めて二人でこの道を歩いてうどん屋に行った時は、まだ再会したばかりで相手のことを全くわからない状況。どこまで踏み込んでいいのかわからず、手探りだった。
自分のために瑠維の時間を使ってしまうのが申し訳ないと思っていたのに、そんな春香の心の壁を彼はいとも簡単に取り払ってしまったのだ。
あの日から一ヶ月足らずでこんなにも関係が変わるなんてーー。
店に着くと、偶然にも前回と同じ席に通される。お互いに前回と同じものを注文すると、二人は顔を見合わせて笑い合う。
「なんだか不思議な感じ。前に来た時は再会した初日ったもんね。すごく気を遣って、ぎこちなかったのを覚えてる」
「そうでしたね」
「聞きたかったんだけど、あの再会って偶然だったの?」
「……池田先輩がパフェを食べに来いってかなり強引に誘ってきたんです。仕方なく店に行ったら春香さんがやって来て、本当に焦りました」
なるほど。やはりあの再会は仕組まれたものだったんだ。そう考えると納得する。
「……池田先輩は僕の気持ちを知っていましたからね。きっと近藤先輩と春香さんが友だちだと知って、僕を引き合わせようとしたんでしょう」
「瑠維くんは……ヒロくんにその……私のことを話したことがあるの?」
すると瑠維は苦笑しながら首を横に振った。