大神様の呪いのふみきり
あれはまるで悪霊のような姿だった。
「話を戻していいですか?」

感慨深そうな洋平に四葉が声をかける。
「あ、あぁ。もちろんだよ」

「私達は大神田さんの指輪を探しています。どこにあるか知りませんか?」
ようやく本題へ移ることができた。

自分たちの捜し物は、大神田ヒナさんの指輪を見つけること。
ただそれだけだ。

しかし洋平は眉を寄せて左右に首を振った。
「ヒナの指輪がどこにあるか、僕にもわからないよ。事故の衝撃でどこか遠くへ飛ばされたんじゃないかな?」

「そんな……」
瑠美が絶望的な表情になって呟く。
もし、もう指輪がこの世にないなんてことになったら、自分たちの指は返してもらえないままになってしまう。
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