大神様の呪いのふみきり
私達に未来を変えることはできない。
だけど、なにが起こったのかをこの目で見て、真相を世の中に知らせることはできる。

指輪を発見することができた今はそれが役目なんだ。
思わず立ち止まって考え込んでしまっていると、凛子が横を通り過ぎていった。

四葉はハッと我に返ってその後を追いかける。
四葉は巧みに人波に紛れ込んでヒナたちには気が付かれないように尾行を続けていた。

やがて洋平が1人で雑貨店へ入っていった。
ヒナは表で待っていて周りのお店を興味深そうに見つめている。

「絶対に許さない。お前だけは、絶対に」
凛子がジッとヒナを睨みつけてブツブツと呟く。

その姿こそ悪霊や怨霊そのもののようだった。
やがて洋平がお店から出てくると、ヒナと手をつないで横道へそれた。

そこは商店街が途切れた場所で、人はまばらにしか歩いていない。
そこで立ち止まった洋平がヒナになにかを手渡した。

「指輪だ……」
< 132 / 153 >

この作品をシェア

pagetop