大神様の呪いのふみきり
☆☆☆

教室に入るとすぐ沙友理と瑠美が駆けつけてきた。
ふたりとも手袋を外している。

四葉はその手を見て泣きそうになってしまった。
みんなの指が元通りになっている。

「ふたりとも、おはよう」
四葉はそう言って自分の左手をかかげてみせた。

その日の放課後３人は新しい花を買ってフミキリへ向かった。
フミキリの邪魔にならない場所に献花して手を合わせる。

「大神田さん。安らかにお眠りください」
四葉の言葉に答えるように雑草がざわめいた。

顔を上げてみると、フミキリの前に大神田ヒナが立っている。
真っ白なワンピースにつややかな黒髪。

日本人形のように可愛い顔立ちをした女の子だ。
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