大神様の呪いのふみきり
奪われる
大きく息を吸い込んで目を覚ました四葉は自分のベッドの上にいた。
勢いよくベッドから飛び起きて周囲を確認するけれど、そこに大神様の姿はない。

もちろん、フミキリもなければあの音も聞こえてこなかった。
ホッと息を吐き出して自分の姿を見下ろした。

ブルーのパジャマ姿で、どこも汚れてはいない。
「夢……だったの?」

ベッドの上に座り込んで呟く。
自分はいつの間にか眠っていて、あれは全部夢だった。

そう考えるのが普通だった。
いつ家に帰ってきていつパジャマに着替えたのか全然覚えていないけれど、それくらいに疲れてしまっていたということだろう。

四葉は無理やり納得することにした。
それから勉強机に近づいてカバンを開いてみると、ちゃんと今日の授業の準備ができている。

やっぱり、あれは全部夢だったんだ。
沙友理があんな話をするから、変な夢を見てしまったに違いない。
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