大神様の呪いのふみきり
「もちろんだよ。この街では有名な都市伝説だよね」
「それについて、詳しく知らないかな?」

「う~ん。私が知ってるのは、フミキリで死んだ女の子が大神様って呼ばれていて、その子にお願いをされると叶えてあげないといけないこと。叶えられないと翌日自分の大切なものが奪われること。くらいかなぁ?」

なおちゃんが言ったのは沙友理が言っていた都市伝説と同じものだった。
それ以上になにか知らないか訊ねてみたけれど、なおちゃんは「知らない」と、左右に首を振った。

「でも、どうしてそんなことを聞くの? 四葉ちゃん、こわい話苦手じゃなかった?」
「うん。そうなんだけどね……」

どう説明していいか悩んで言葉を探していると、ふと思いついたようになおちゃんが笑顔になった。
「大神様のフミキリについてなら、3年生の先輩に詳しい人がいるよ」

「え!?」
思いもよらぬ情報にペンを握りしめる手に力が入る。

「私のお兄ちゃんの後輩にあたる人なの。名前、教えようか?」
「教えて!!」

四葉たち3人は同時にそういったのだった。
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