大神様の呪いのふみきり
☆☆☆

友人のなおちゃんから聞いた3年生の先輩とは、地元で催される怪談ライブの常連客だった。
この学校や街についての怪談だけではなく、全国的に有名な怪談についてよく知っている。

「大神様のフミキリ? そんなの知ってるに決まってるじゃん」
昼ごはんを食べ終えてすぐの先輩はそう言って四葉たち3人を順番に見つめていった。

先輩は背が高くて大人びた雰囲気の美女だった。
幽霊役とかがハマリそうだなと、四葉は心の中で考える。

「大神様は昔あそこのフミキリで死んだんだよ」
先輩は廊下の窓からフミキリの方向を指差して言った。

「人身事故があったんですよね?」
四葉が聞いた。

「そうだよ。そのとき大神さまは真っ白なワンピース姿だったんだって。だけど血に濡れてその服は真っ赤に変わった」
四葉は昨日の女の子の姿を思い出して身震いをした。

先輩が言っている通り、大神様は赤いワンピース姿だった。
だけどそれが元々白いワンピースだったなんて。

あれが全部血だったとわかって寒気が走る。
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