大神様の呪いのふみきり
「大人数で大神様の体をかき集めたけれど、どうしても指が一本だけ見つからなかったんだって」
その言葉に四葉は自分の左手を右手で握りしめた。

指がなくなっているけれど、血もでていなければ痛みも感じない。
「それで、大神様は自分の指をずっと探してるんですか?」

沙友理がそう聞いて先輩は大きく頷く。
「そうだよ、よく知ってるね」

「だけど電車事故だったら、もっと色々となくなってると思うんですけど……」
おずおずと会話に加わったのは瑠美だ。

瑠美は青ざめた顔をしてさっきから話を聞いている。
先輩は瑠美からの質問にニヤリと笑ってみせた。

「そうだね。電車に跳ねられたら体がバラバラになる。だから指だけがなくなるのはおかしな話なんだよね」
他にも、細かな体の一部がなくなっていてもおかしくない。
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