大神様の呪いのふみきり
右手から電車が近づいてきて、一気に目の前を駆け抜けた。
轟音と風を残して電車はあっという間に走り去る。

やがてカンカンという音は止まって、目の前で遮断器が上がり始めた。
ホッと胸をなでおろす四葉。

さぁ、行こうと足を踏み出した瞬間、瑠美に手首を掴まれていた。
「どうしたの?」

聞くと瑠美は真っ青な顔で四葉の横を見つめていた。
四葉がそちらへ視線を向けると、沙友理が立っている。

だけどどこか様子がおかしかった。
遮断器が上がったというのにぼーっと前方を見つめたまま動こうとしない。

「沙友理?」
四葉の声掛けにも返事をせずに、まるで操り人形のようにフラフラと歩き出す。

「ちょっと沙友理、どうしたの?」
急におかしな態度になった沙友理の後を慌てておいかける。

「昨日の四葉も、こんな感じだったんだよ」
青ざめた瑠美が、そう言ったのだった。
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