大神様の呪いのふみきり
ふたりはこんなに幸せそうなのに、大神様が死んじゃうなんて……。
沙友理の胸がチクリと痛む。

大神様だって、死にたくはなかったんだろう。
記事を呼んでみても自殺だとは書かれていなかったし、辛い事故だったに違いない。

「今日はヒナの誕生日だもんな。放課後どこか遊びに行こうか」
「いいの?」

「もちろん。今日は特別な日なんだから楽しもう」
ふたりはほほえみ合い、放課後の約束を交わしている。

そして次の瞬間、場面は切り替わって沙友理は外に立っていた。
空はオレンジ色の染まり、周囲には見慣れた店が立ち並んでいる。

「商店街だ!」
ここがこの街の商店街であることに気がついて思わず声を上げた。

沙友理が暮らしている時代では駅前に大きなデパートができているけれど、この時代にはまだなかった。
商店街は活気に溢れて様々な人が行き交っている。

楽しそうなお店も沢山あった。
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