大神様の呪いのふみきり
そんな中、大神様とさっきの男子生徒が並んで歩いてくるのが見えた。
それぞれの手にクレープが握られていて、食べ歩きをしていることがわかる。

沙友理はそんなふたりの後をついて歩き始めた。
大神様がこの映像を見せてくるということは、指探しのヒントがあるに決まっている。

商店街を歩いていくと雑貨屋さんがあり、ふたりはそこに入っていった。
沙友理は少し迷ったけれど外で待っていることにした。

雑貨屋さんには中高生たちが沢山集まっていて、入ってしまえば大神様を見失ってしまうかもしれない。
商店街に流れている音楽を聞きながらしばらく待っていると、ふたりが店から出てきた。

「これ、おもちゃだけど誕生日プレゼント」
男子生徒が持っていた小さな箱を大神様に手渡す。

大神様は嬉しそうにそれを受け取り、中から指輪を取り出した。
シルバーのリングに白い石がついている。
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