大神様の呪いのふみきり
☆☆☆

昨日沙友理がどんな経験をしたのか。
赤くなった目と左手にはめられた白い手袋を見ると四葉にはすべてがわかった。

「沙友理、大丈夫?」
「うん……」

頷きながらも全然平気そうじゃない。
顔色は悪く、学校に出れ来られたことが不思議だった。

「無理しちゃダメだよ。どうして休まなかったの?」
少し怒ったように言う四葉に沙友理は昨日の出来事をポツポツと説明し始めた。

「それじゃ、大神様はその指輪を探してるってこと?」
聞いてきたのは瑠美だった。

沙友理は頷く。
「たぶんそうだよ。だけど私も見つけることはできなかった」

沙友理が悔しそうに下唇を噛みしめる。
本気で大神様の願いを叶えてあげるつもりだったのに、失敗してしまった。

「ねぇ、ふたりとも経験したってことは、今日は私……なのかな?」
瑠美が自分のことを指差して呟く。

体が恐怖で震えているのがわかった。
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