大神様の呪いのふみきり
☆☆☆

机の上に置かれた紙にはフミキリ周辺の絵が描かれていて、すでに探し終えた範囲が赤く塗られている。
それはフミキリから10メートル四方の範囲だった。

「電車の事故だと広範囲に死体が飛び散るみたい。だけど大神様の世界はそれほど広くないから、きっといつかは探し出せるはずんなんだよね」

紙を見ながら四葉が言う。
大神様の世界は駅に付く前で終わっていた。

探しものをしながらだと時間はかかるけれど、徒歩で移動すると考えるとほんの5分ほどの距離になる。
今日瑠美が連れて行かれてダメだったとしても、何度目かで必ず見つけだすことができる。

「私達3人が指輪を見つけ出すまで、大神様は開放してくれないってこと?」
瑠美の質問に沙友理が首を左右に振って「わからない」と、答えた。

もしかしたら1度ダメだった人間は選ばれないかもしれない。
だけど選んでくれないと困るんだ。

四葉の指と沙友理の指を取り戻すためには。
「私、もう少し大神様について調べておきたい。沙友理が言うように大神様がこの学校の生徒だったのなら、覚えている先生もいるんじゃないかな?」
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